2019年度(H31、R1年度)の国家公務員採用総合職試験(大卒程度)の専門試験【森林・自然環境】の多肢選択式試験問題の過去問解説です。
問題は121題あります。
問題は必須問題13題(No.1~No.13)と選択問題12科目108 題(No.14~No.121)に分かれています。選択問題については任意の3科目(27題)を選択し,必須問題と合計して40題を解答します。
なお,選択問題については,3科目を超えて解答しても超えた分に ついては採点されません。
これは、必須問題13題のうちの1問目の問題です。
問題
植生とその遷移に関する記述として最も妥当なのはどれか。
- ある場所に生育する植物の集団を植生といい,植生の外観的な様相をバイオームという。植生内で個体数が少なくても,他の生物に大きな影響を及ぼす植物を優占種といい,バイオームには優占種の特徴がみられることが多い。
- 多くの植物は自ら移動できず,生育環境の影響を強く受ける。しかし,花と葉の形だけは環境に影響されることはなく,こういった環境に影響されない種本来の形態的特徴を生活形という。植生を分類する場合には,ケッペンによるものなど,生活形による分類が有効である。
- 生物は生活することで植生内の光や土壌の環境を変える。これを環境収容力といい,その営力 により,ある場所の植生が時間と共に変化することを遷移と呼ぶ。先に定着していた種は,後から侵入する種の定着を常に抑制し,遷移の進行や方向を制御する。
- 土中に有機物,種子,地下茎などが残っている場所で始まる遷移を一次遷移という。一方,土壌や種子などがない場所で始まる遷移を二次遷移という。二次遷移は,植物間の競争が生じないため,一次遷移に比べて速く遷移が進行する。
- 遷移がその気候や環境条件の下でそれ以上は進まず,全体として大きな変化を示さない状態を極相という。極相となっても,山火事や崩壊などによって裸地や草原の状態に戻ることもあり,極相は必ずしも永続的とはいえない。
解説
①の文章は、
なので、「植生内で個体数が少なくても,他の生物に大きな影響を及ぼす植物を優占種といい」の部分が間違いです。
②の文章は、
なので、「花と葉の形だけは環境に影響されることはなく,こういった環境に影響されない種本来の形態的特徴を生活形という」の部分が間違いです。
③の文章は、
なので、「生物は生活することで植生内の光や土壌の環境を変える。これを環境収容力といい」の部分が間違いです。
④の文章は、
なので、一次遷移と二次遷移の説明が逆です。
つまり、⑤の文章が最も妥当な文章です。
正答番号
5