2019年度(H31、R1年度)の国家公務員採用総合職試験(大卒程度)の専門試験【森林・自然環境】の多肢選択式試験問題の過去問解説です。
問題は121題あります。
問題は必須問題13題(No.1~No.13)と選択問題12科目108 題(No.14~No.121)に分かれています。選択問題については任意の3科目(27題)を選択し,必須問題と合計して40題を解答します。
なお,選択問題については,3科目を超えて解答しても超えた分については採点されません。
これは、選択問題「森林環境科学」の問題です。
問題
【No. 19】 森林環境に関する記述として最も妥当なのはどれか。
- 森林内の明るさを表す場合,絶対的な明るさは,その日の天候や森林の構造などに影響されるため,林内の光量を1,000ルクスの光量に対する割合で示す相対照度が用いられる。一般に,林冠の閉鎖に伴い相対照度は低下し,相対照度が30%を下回ると林床植生が消滅する。
- 地表が受け取る正味の放射エネルギーである純放射量は,太陽からもたらされる日射から,地表面での反射を差し引いたものである。純放射量は,蒸発散に用いられる顕熱,大気を加熱する潜熱,地面を暖める熱及び生物活動のエネルギーなどに分配される。
- 日射量の反射率(アルベド)は,地表の状況によって大きく異なる。森林のアルベドは,樹冠での多重散乱により日射が反射されるために,牧草地や畑作地などのアルベドよりも大きく,約6割の日射量が反射される。
- 森林において,光合成による二酸化炭素固定量と,呼吸による二酸化炭素放出量の差が炭素固定量となる。炭素固定量は,森林を構成する樹種や林齢によって異なり,生態系別にみると北方林で最も多く,また,森林の成長に伴い増加を続け,成熟した森林で最大となる。
- 森林の樹冠には,樹冠遮断により林内への降雨量を減少させる効果があるが,高木の樹冠に遮断された雨水による雨滴エネルギーは,林外よりも大きくなることがある。このため,森林における雨滴侵食の軽減機能は,樹冠よりも落葉・落枝及び林床植生の地表被覆によるところが大きい。
解説
①の文章ですが、
よって、間違った文章です。
②の文章ですが、
よって、間違った文章です。
③の文章ですが、
地球表面に到達した太陽放射の一部は反射される。全入射量に対する前反射量の比をアルベドという。新雪で80%、草原で25%、黒色土壌で10%で、森林は5%前後であり、地球表面でもっとも効率の良い放射吸収表面である。
森林・林業実務必携より
よって、間違った文章です。
④の文章ですが、
若い林の方が成長が旺盛で二酸化炭素を盛んに吸収するため、炭素固定量は多く、原生林や極相林では、吸収量と排出量がほぼ同じになるため炭素固定量少なくなります。
また、北方林より熱帯林の方が炭素固定量は多いです。
よって、間違った文章です。
⑤は妥当な文章です。
正答番号
5