国家公務員試験(一般職・大卒)

【過去問解説】2019年国家公務員採用一般職試験(大卒)林学(多肢選択式)試験問題【No.19】

2019年度(H31、R1年度)の国家公務員採用一般職試験(大卒程度)の専門試験【林学】の多肢選択式試験問題の過去問解説です。

問題は全部で40題で、解答時間は3時間です。

これは、40題のうちの19問目の問題です。

タップできる目次
  1. 問題
  2. 解説

問題

【 No. 19】 我が国の森林の気象害などに関する記述として最も妥当なのはどれか。

  1. 森林の耐風性は,一般に,天然林よりも人工林の方が高く,広葉樹林よりも針葉樹林の方が高い。針葉樹の人工林の中でも,特に一斉林は,風害が発生しにくい。
  2. 寒風害は,厳寒期の強風により樹木が凍結に耐える限界を超えて冷却されて,細胞間隙の水分が凍結されることにより発生する。寒風害は,一般に,積雪の多い地域で発生しやすい。
  3. 凍害は,厳寒期に土壌が凍結して水分補給がないときに,樹体内の水分が強光により強制的に奪われて発生する。被害を受けた樹木は,一般に,樹木表面に横方向の割れが発生する。
  4. 干害は,暖候期30日以上,寒候期40日以上の無降水期間の連続と気温が平年値より2~3℃低い場合に発生するといわれている。干害は,一般に,浅根性の樹木よりも深根性の樹木で発生しやすい。
  5. 林野火災は,我が国では,一般に,冬から春までに集中して発生しており,その多くは,たき火,たばこや火入れの不始末などの人為的な要因によるものである。

解説

①の文章ですが、

風害
風害は、広葉樹より針葉樹で発生しやすい。人工林のなかでも特に一斉林は弱く、老齢でない天然林は強い。

森林・林業実務必携より

よって、間違った文章です。

②の文章ですが、

寒風害は、厳寒期に土壌が凍結して水分補給がないときに、樹体内の水分が風により強制的に奪われて発生する。寒風害は枯れることは少なく、樹冠の枯れが多い。風当たりのよい場所に植えられた老・壮齢木の上部の葉が春先に赤変する。冬季の乾燥害といわれている。

森林・林業実務必携より

よって、間違った文章です。

③の文章ですが、

凍害は、樹木が凍結に耐える限界を超え冷却されると、細胞間げきの水分の凍結により発生する。風当たりの良い場所に植えられたスギ、ヒノキの幼齢木に出やすい。樹下植栽や側方林により被害を避ける。

森林・林業実務必携より

凍裂は、厳寒期の低温により凍結した樹幹が急激に縦に割れる。幹の中心方向と切線方向での収縮の違いで発生する。スギ老・壮齢木に出やすい。

森林・林業実務必携より

よって、間違った文章です。

④の文章ですが、

干害
干害は、50年に一度程度の干ばつ時や植栽後の散水不足時に発生しやすい。落葉や落枝により樹木の成長を弱め、病害虫などの諸害の先駆となる。林縁、大木より苗や稚樹、南斜面で発生しやすい。

森林・林業実務必携より

よって、間違った文章です。

⑤は妥当な文章です。

正答番号

5

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