国家公務員試験(総合職・大卒)

【過去問解説】2019年国家公務員採用総合職試験(大卒)森林・自然環境(多肢選択式)試験問題【No.40】

2019年度(H31、R1年度)の国家公務員採用総合職試験(大卒程度)の専門試験【森林・自然環境】の多肢選択式試験問題の過去問解説です。

問題は121題あります。
問題は必須問題13題(No.1~No.13)と選択問題12科目108 題(No.14~No.121)に分かれています。選択問題については任意の3科目(27題)を選択し,必須問題と合計して40題を解答します。

なお,選択問題については,3科目を超えて解答しても超えた分については採点されません。

これは、選択問題「森林生物生産科学」の問題です。

タップできる目次
  1. 問題
  2. 解説

問題

【No. 40】 高性能林業機械と作業システムに関する記述として最も妥当なのはどれか。

  1. 平成28年度の我が国における高性能林業機械の保有台数*1は,台数の多いものから順にプロセッサ,フォワーダ,スイングヤーダである。平成28年度において,素材生産量全体に占める高性能林業機械を活用した作業システムによる素材生産量の割合は約3割となっている。
  2. プロセッサとは,伐倒,枝払い,玉切りを一連の作業として,ワンマンオペレーションで処理できる自走式機械のことであり,林内を走行し,伐木・造材作業を行う。一般にフォワーダと組み合わせた作業に用いられ,北米で発達した。
  3. 伐採と造林の一貫作業システムは,グラップル*2などの伐採や搬出に使用した林業機械を用いて,伐採してすぐに伐採跡地に残された末木枝条を除去して地拵えを実施し,これらの機械で苗木を運搬した上で,植栽を行うものである。
  4. 牽引式で集材する集材専用トラクタがフォワーダであり,主に短幹材をウインチ,グラップルなどにより牽引して集材する。足回りで二つの形式に大別され,作業機の機構でケーブル式(又はアーチ式)とクローラ式に大別される。
  5. 林業作業における生産性の単位として,「㎥/時」,「㎥/日」又は「円/㎥」がよく用いられる。プロセッサの生産性が25㎥/日,フォワーダの生産性が40㎥/日の素材生産現場において,両者の作業が直列的に行われる場合のシステムとしての生産性は65㎥/日となる。

*1 国有林野事業で所有する林業機械を除く。
*2 木材をつかんで持ち上げ,集積する機能を備えた車両。

解説

①の文章ですが、

我が国における高性能林業機械の導入は、昭和60年代に始まり、近年では、路網を前提とする車両系のフォワーダ(*52)、プロセッサ(*53)、ハーベスタ(*54)等を中心に増加しており、平成28(2016)年度は、合計で前年比7%増の8,202台が保有されている。保有台数の内訳をみると、フォワーダが2,328台で3割弱を占めているほか、プロセッサが1,851台、プロセッサと同様に造材作業に使用されることの多いハーベスタは1,572台となっており、両者を合わせて4割強を占めている。このほか、スイングヤーダ(*55)が1,012台で1割強を占めている(資料 III -23)。平成28(2016)年度において、素材生産量全体のうち、高性能林業機械を活用した作業システムによる素材生産量の割合は7割となっている(*56)。

平成29年度森林・林業白書より
平成29年度森林・林業白書より

よって、間違った文章です。

②の文章ですが、

プロセッサ:木材の枝を除去し、長さを測定して切断し、切断した木材を集積する作業を連続して行う機能を備えた車両。

問題はプロセッサではなくハーベスタについての説明文です。

よって、間違った文章です。

③は妥当な文章です。

④の文章ですが、

フォワーダ:玉切りした短幹材をグラップルクレーンで荷台に積んで運ぶ集材専用の自走式機械。

問題はフォワーダではなくスキッダについての説明文です。

よって、間違った文章です。

⑤の文章ですが、

プロセッサの生産性が25㎥/日,フォワーダの生産性が40㎥/日の素材生産現場において,両者の作業が直列的に行われる場合のシステムとしての生産性は40㎥/日となります。

よって、間違った文章です。

正答番号

3

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