国家公務員試験(総合職・大卒)

【過去問解説】2019年国家公務員採用総合職試験(大卒)森林・自然環境(多肢選択式)試験問題【No.24】

2019年度(H31、R1年度)の国家公務員採用総合職試験(大卒程度)の専門試験【森林・自然環境】の多肢選択式試験問題の過去問解説です。

問題は121題あります。
問題は必須問題13題(No.1~No.13)と選択問題12科目108 題(No.14~No.121)に分かれています。選択問題については任意の3科目(27題)を選択し,必須問題と合計して40題を解答します。

なお,選択問題については,3科目を超えて解答しても超えた分については採点されません。

これは、選択問題「森林資源科学」の問題です。

タップできる目次
  1. 問題
  2. 解説

問題

【No. 24】 世界の森林資源の動向に関する記述として最も妥当なのはどれか。なお,データは,「世界森林資源評価 2015*1」(FAO)による。

  1. 世界の森林面積のうち,上位10か国が全体の約7割を占めており,なかでも第1位のカナダには世界の森林面積の約2割が存在する。一方,大規模な森林減少が起こっているのは熱帯,とりわけ南米とアフリカであり,1990年以降,これらの地域における森林減少速度が大幅に増加してきている。
  2. 世界の森林面積のうち,天然林が約6割,人工林が約4割を占めている。1990年以降,世界では,天然林面積が減少する一方,人工林面積が増加してきている。天然林面積の減少は,南米とアフリカで顕著であり,アジア,北中米がそれに続いている。人工林面積については,亜熱帯,温帯,亜寒帯地域で増加傾向にあるが,熱帯地域では減少傾向にある。
  3. 2011年の世界の木材生産量は,総蓄積の1%以下である。世界的には,木材生産量の約半分が薪炭材で占められているが,その割合は所得水準により大きく異なる。薪炭材が木材生産量に占める割合は,高所得国*2で約2割,高中位所得国*2で約4割であるが,低中位所得国*2や低所得国*2では約9割である。
  4. 森林セクターの産業*3は,2011年には世界のGDPの約1割を占めている。なお,世界の林業及び伐採業の生産額をみると,低所得国が約4割を占め,高所得国の占める割合は 1 割に満たない。GDPに占める林業及び伐採業の生産額の割合も,高所得国,高中位所得国,低中位所得国,低所得国の中で低所得国が最も大きく,高所得国が最も小さい。
  5. 二つの森林認証プログラム,FSC*4とPEFC*5が普及している。世界の森林において,この二つの森林認証プログラムによる認証森林面積は,2014年には2000年と比べて約100倍に増加した(二つのプログラムで重複して認証されている森林面積を含む。)。森林認証の取得が最も急速にかつ継続的に増加しているのは熱帯及び温帯地域である。

*1 Global Forest Resources Assessment 2015
*2 世界銀行が公表する国民 1 人当たりの年間総所得に基づく区分。
高所得国:12,746 ドル/年以上(米国,カナダ,オーストラリア,日本,ロシアなど)高中位所得国:4,125~12,746 ドル/年(中国,ブラジル,ペルーなど)
低中位所得国:1,045~4,125 ドル/年(インドネシア,インドなど)
低所得国:1,045 ドル/年以下(コンゴ民主共和国,ミャンマーなど)
*3 国際標準産業分類(ISIC)に基づく分類 ①林業及び伐採業,②木材産業,③パルプ・紙産業
*4 Forest Stewardship Council (森林管理協議会)
*5 Programme for the Endorsement of Forest Certification

解説

①の文章ですが、

各国の森林率(陸地面積に占める森林面積の割合)は図1のとおりである。また、世界の森林面積のうち、 上位10か国が全体の67%を占めている(表2)。

2010-2015年において森林面積の大きな正味の増加あるいは減少が見られた上位10か国はそれぞ れ表3及び表4のとおりである。また、各国における正味の森林面積の変化については図2に示すとおりである。

世界森林資源評価2015概要 第2版(仮訳)より
世界森林資源評価2015概要 第2版(仮訳)より
世界森林資源評価2015概要 第2版(仮訳)より
世界森林資源評価2015概要 第2版(仮訳)より

よって、間違った文章です。

②の文章ですが、

世界では、天然林面積が減少する一方、人工林面積が増加してきている。2015年現在、世界の森林面積のうち、天然林が93%、人工林が7%を占めている。

天然林の年間減少面積は、1990年代の1,060万haから2010-2015年には650万haとなり、減少速度は低下している。地域別では、南米とアフリカでの減少面積が最も大きく、アジア、北中米がそれに続いている。欧州、オセアニアでは比較的安定して推移している(図5)。

人工林面積は、1990年から1億500万ha以上増加しているが、年間の増加速度については、2000- 2010年の530万haでピークを迎えており、 2010-2015年には東アジア、ヨーロッパ、北米、南アジア、 東南アジアにおける植林が減少したことにより、年間増加面積は320万haに低下した。

世界森林資源評価2015概要 第2版(仮訳)より
世界森林資源評価2015概要 第2版(仮訳)より

よって、間違った文章です。

③は妥当な文章です。

世界の木材生産量※は2011年において30億m3 であり、総蓄積の0.6%に相当する。1990年以降の年間木材生産量は安定しているが、経済状況によりいくつかの大きな年変動も伴っている(図17)。

世界的には、木材生産量の約半分を薪炭材が占めるが、その割合は所得水準により大きく異なる。薪炭材が木材生産量に占める割合は、高所得国で17%、高中位所得国で40%であるが、低中位所得国で86%、低所得国では93%である(図18、表6)。

世界森林資源評価2015概要 第2版(仮訳)より
世界森林資源評価2015概要 第2版(仮訳)より
世界森林資源評価2015概要 第2版(仮訳)より

④の文章ですが、

森林セクターの産業※は、2011年には世界のGDPに約6,000億ドル(世界のGDPの約0.9%)貢献しており、 このうち林業及び伐採業は約1,170億ドルを占めている。

世界の林業及び伐採業の生産額のうち、高所得国が41%を占め、低所得国の占める割合はわずか5% である(図19)。一方、 GDPに占める林業及び伐採業の生産額の割合は低所得国(1.4%)が最も大きく、 高所得国で小さい(0.1%)(図20)。

世界森林資源評価2015概要 第2版(仮訳)より
世界森林資源評価2015概要 第2版(仮訳)より

よって、間違った文章です。

⑤の文章ですが、

二つの森林認証プログラム、即ち、FSC※2とPEFC※3が普及している。世界の森林面積のうち、この2つ の森林認証プログラムによる認証森林面積は、2000年に1,400万haであったが、2014年には4億3,800万 haまで増加した(2つのプログラムで重複して認証されている森林面積を含む。)(図10)。

森林認証の取得が最も急速にかつ継続的に増加しているのは温帯及び亜寒帯地域である。

世界森林資源評価2015概要 第2版(仮訳)より
世界森林資源評価2015概要 第2版(仮訳)より

よって、間違った文章です。

詳しくは、林野庁HPの「世界森林資源評価2015概要 第2版(仮訳)」を参照してください

正答番号

3

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