国家公務員試験(総合職・大卒)

【過去問解説】2019年国家公務員採用総合職試験(大卒)森林・自然環境(多肢選択式)試験問題【No.3】

2019年度(H31、R1年度)の国家公務員採用総合職試験(大卒程度)の専門試験【森林・自然環境】の多肢選択式試験問題の過去問解説です。

問題は121題あります。
問題は必須問題13題(No.1~No.13)と選択問題12科目108 題(No.14~No.121)に分かれています。選択問題については任意の3科目(27題)を選択し,必須問題と合計して40題を解答します。

なお,選択問題については,3科目を超えて解答しても超えた分に ついては採点されません。

これは、必須問題13題のうちの3問目の問題です。

タップできる目次
  1. 問題
  2. 解説

問題

次は,地球のプレートの運動に関する記述であるが,A~Dに当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

地球の表面を覆うプレートは,海洋底にある【A】の中軸部で生産され,そこを境界として,両側に移動していく。また,移動するプレートどうしがすれ違う境界には【B】が形成される。プレートが地球内部に沈み込む海溝周辺では,ひずみが集中しやすく,沈み込むプレート内部で【C】が発生する。【C】の震源は面状に分布し,その分布面は【D】と呼ばれている。

ABCD
1海嶺トランスフォーム断層深発地震和達-ベニオフ帯(面)
2海嶺逆断層浅発地震モホロビチッチ不連続面
3海盆トランスフォーム断層浅発地震和達-ベニオフ帯(面)
4海盆逆断層深発地震モホロビチッチ不連続面
5海盆逆断層浅発地震和達-ベニオフ帯(面)

解説

Aに入る言葉についてですが、

海嶺=海洋プレートが両側に引っ張られるために生じた地表の割れ目が直下のマントル(固体)が上昇することによってうめられ、マントルの断熱上昇のために部分融解が起こりマグマが発生し、火山活動が起こり、新しいプレートと海洋地殻が生成される大規模な海底山脈のこと。

海盆=大規模な海底の凹所

なので、Aに入るのは海嶺です。

Bに入る言葉についてですが、

トランスフォーム断層=プレート境界において生成される横ずれ状の断層のこと。

断層面が傾いている場合、両側の岩盤のうち、浅い側を「上盤」、深い側を「下盤」と呼びます。断層面を境として両側のブロックが上下方向に動くときを「縦ずれ断層」と呼びます。「縦ずれ断層」のうち、上盤側がずり下がる場合を「正断層」、のし上がる場合を「逆断層」と言います。

一方,両側のブロックが水平方向に動くときは「横ずれ断層」と呼び、断層線に向かって相手側のブロックが右に動く場合を「右横ずれ断層」、左に動く場合を「左横ずれ断層」と言います。

なので、Bに入るのはトランスフォーム断層です。

Cに入る言葉についてですが、

深発地震=震源が、地表から深いところで起きる地震。地震波が広範囲に伝わり、地表付近では一度に揺れを感じますが、建物などの被害は少ない。プレート沈み込み帯の地下深くで発生し、それ以外の場所では海嶺下やホットスポット周辺も含めてまったく発生しない。地下において深発地震が発生する地帯は、緩やかなカーブを描いた面状に分布している。これを深発地震面(深発地震和達-ベニオフ帯)という。

浅発地震=震源の深さが浅い地震。普通は、80~100キロメートルより浅い地震をいう。20~30キロメートルより浅いものを、特に、極浅発地震ということがある。 

なので、Cに入るのは深発地震です。

Dに入る言葉についてですが、

和達-ベニオフ帯=深発地震帯とも。海溝の軸部から島弧や陸弧の下に向かって,深発地震の震源の深さがしだいに深くなることが知られており,この深発地震の震源の分布するところをさす。

モホロビチッチ不連続面=地震波速度の境界であり、地球の地殻とマントルとの境界のこと。 日本ではしばしばモホ不連続面(英: Moho discontinuity)あるいはモホと略される。

なので、Dに入るのは和達-ベニオフ帯です。

つまり、①が正解です。

正答番号

1

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