2019年度(H31、R1年度)の国家公務員採用一般職試験(大卒程度)の専門試験【林学】の多肢選択式試験問題の過去問解説です。
問題は全部で40題で、解答時間は3時間です。
これは、40題のうちの4問目の問題です。
問題
森林法に関する記述として最も妥当なのはどれか。
- 森林法では,森林を樹木が集団して生育している土地及びその土地の上にある立木と定義しており,竹が生育している土地や伐採跡地で現に立木が生育していない土地は森林に当たらない。
- 森林法は,第二次世界大戦の戦中戦後の乱伐などによる森林資源の著しい荒廃を背景に,昭和26(1951)年に改正され,林地開発許可制度と保安林制度が導入された。
- 森林法では,森林計画制度が定められており,内閣総理大臣が「全国森林計画」を策定し,同計画に即して,民有林については,都道府県知事が「地域森林計画」を策定し,国有林については,農林水産大臣が「地域管理経営計画」を策定することとされている。
- 森林法では,市町村長が策定する「市町村森林整備計画」において,伐採,造林,保育などの森林整備の標準的な方法を示すこととされている。また,森林所有者等に対して,伐採及び伐採後の造林の計画について事前に届出を義務付ける制度が措置されている。
- 森林法は,「森林・林業再生プラン」を着実に推進するため,平成23年に改正され,既存の森林経営計画制度が拡充されたほか,森林経営計画作成を行う森林施業プランナーの設置が新たに規定された。
解説
①の文章ですが、
森林法第二条第一項の記載を見ると、
第二条 この法律において「森林」とは、左に掲げるものをいう。但し、主として農地又は住宅地若しくはこれに準ずる土地として使用される土地及びこれらの上にある立木竹を除く。
一 木竹が集団して生育している土地及びその土地の上にある立木竹
二 前号の土地の外、木竹の集団的な生育に供される土地
とありますので、「竹が生育している土地や伐採跡地で現に立木が生育していない土地は森林に当たらない。」の部分が間違いです。
②の文章ですが、
- 保安林制度:明治30(1897)年の森林法制定時に創設
- 林地開発許可制度:昭和49(1974)年の森林法改正時に創設
なので、「昭和26(1951)年に改正され,林地開発許可制度と保安林制度が導入された。」の部分が間違いです。
③の文章ですが、
- 「全国森林計画」を策定するのは農林水産大臣
- 「地域管理経営計画」を策定するのは森林管理局長
なので、「内閣総理大臣が「全国森林計画」を策定し」と「国有林については,農林水産大臣が「地域管理経営計画」を策定する」の部分が間違いです。
④の文章は妥当な文章です。
⑤の文章ですが、
森林施業プランナーに関する規定は森林法にはありません。
なので、「森林施業プランナーの設置が新たに規定された」の部分が間違いです。
正答番号
4