国家公務員試験(一般職・大卒)

【過去問解説】2019年国家公務員採用一般職試験(大卒)林学(多肢選択式)試験問題【No.31】

2019年度(H31、R1年度)の国家公務員採用一般職試験(大卒程度)の専門試験【林学】の多肢選択式試験問題の過去問解説です。

問題は全部で40題で、解答時間は3時間です。

これは、40題のうちの31問目の問題です。

タップできる目次
  1. 問題
  2. 解説

問題

【No. 31】 木材の組織に関する記述として最も妥当なのはどれか。

  1. 針葉樹材の組織は,主に道管と木部繊維から成る。一方,広葉樹材の組織は,仮道管と柔細胞から成る。柔細胞は主に樹体の支持機能を担っている。
  2. 植物の細胞が伸長し,拡大する段階で,細胞の表層に形成される細胞壁を一次壁という。木材の細胞は,細胞の拡大が停止してから,一次壁の内側にミクロフィブリルの層が堆積した厚い細胞壁を形成し,これを二次壁という。
  3. 気候に季節性のある地域に生育する樹木では,1成長期の成長前半では放射径が大きく細胞壁の厚い細胞が形成され,一般に密度が高い。成長後半では,放射径が小さく細胞壁の薄い細胞が形成される。
  4. 樹木の外周部にある部分で,水分の通道を担う死細胞と養分貯蔵を担う生細胞から成る部分を早材という。一方,養分貯蔵を担う細胞も死細胞となる部分を晩材といい,生細胞を全く含まない。
  5. 樹幹の肥大成長に伴い樹幹の内部に包み込まれた枝の基部を節という。樹幹内に包まれた枝部における生枝の基部を特に死節という。死節は製材時の脱落などの欠点もなく,木目が美しくなることから,木材の利用上好まれる。

解説

①の文章ですが、

樹体の支持機能を担っているのは仮道管です。柔細胞は栄養物質の貯蔵を行います。

よって、間違った文章です。

②は妥当な文章です。

③、④の文章ですが、

形成層における細胞分裂活動には一般に季節変化に伴う周期性があり、木部の横断面に環状の層として認められる。通常、この層を成長輪と呼び、特に温帯地域などでは年輪といっている。温帯地域の針葉樹の年輪をみると、その年の成長前半(春から夏)には形が大きく壁が薄い細胞が形成されるためその部分の密度は低い。成長後半(夏から秋)になると放射方向の細胞径が扁平し、壁が厚くなるためその部分の密度は著しく高くなる。年輪内の前者の部分を早材または春材、後者を晩材、夏材または秋材という。

森林・林業実務必携より

よって、間違った文章です。

⑤の文章ですが、

死節は製材時の脱落などの欠点があり,木目が美しくなくなることから,木材の利用上好まれません。

よって、間違った文章です。

正答番号

2

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