2019年度(H31、R1年度)の国家公務員採用総合職試験(大卒程度)の専門試験【森林・自然環境】の多肢選択式試験問題の過去問解説です。
問題は121題あります。
問題は必須問題13題(No.1~No.13)と選択問題12科目108 題(No.14~No.121)に分かれています。選択問題については任意の3科目(27題)を選択し,必須問題と合計して40題を解答します。
なお,選択問題については,3科目を超えて解答しても超えた分については採点されません。
これは、必須問題13題のうちの10問目の問題です。
問題
【No. 10】 自然災害に関する記述A~Dのうち,妥当なもののみを挙げているのはどれか。
A.地震はプレート運動によって岩盤に断層が形成されることによって生じる。断層のうち,活断層は,最近数百年の間に活動し,今後も活動を繰り返す可能性のある断層をいう。地震の規模はマグニチュードで表され,マグニチュードが1大きくなると地震のエネルギーは2倍になる。
B.発達した積乱雲からは,竜巻,ダウンバースト,ガストフロントなど激しい突風をもたらす現象が生じる。竜巻は,積乱雲に伴う強い上昇気流により発生する激しい渦巻で,被害域は,幅数十~数百メートルで,長さ数キロメートルの範囲に集中するが,数十キロメートルに達したこともある。
C.日本海側に大雪を降らせる原因として,冬の北東季節風がある。この季節風は,冬季に,オホーツク海付近に高気圧が発達し,日本海側に低気圧が発達すると,オホーツク海の高気圧から寒気が日本に向かって吹き出すことによって生じる。
D.台風など強い低気圧によって海面が平常よりも高く上昇することがあり,これは高潮と呼ばれる。高潮を引き起こす主な作用は,低気圧による海水の吸い上げと風による海水の吹き寄せである。沿岸に被害をもたらすことがあり,特に満潮時には高潮による水害が発生しやすい。
- A,B
- A,C
- A,D
- B,D
- C,D
解説
Aの文章ですが、
マグニチュード(M)と地震波の形で放出されるエネルギーとの間には、標準的にはMの値が1大きくなるとエネルギーは約32倍に、Mの値が2大きくなるとエネルギーは約1000倍になるという関係があります。M8の地震の1つでM7の地震約32個、M6の地震約1000個分のエネルギーに相当します。
気象庁HP「震度・マグニチュード・地震情報について」より
よって間違いです。
Bは妥当な文章です。
Cの文章ですが、
日本海側に大雪を降らせる原因として挙げられるのは,冬の北西季節風です。
日本海側では、ユーラシア大陸から吹き出してくる冷たく乾燥した北西季節風が、暖かい日本海を渡る際に海面から熱と水蒸気の補給を受けて雪雲が発生します。発生した雪雲は山にぶつかって上昇し、山沿いに大量の雪を降らせます。
よって間違いです。
Dは妥当な文章です。
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