国家公務員試験(一般職・大卒)

【過去問解説】2019年国家公務員採用一般職試験(大卒)林学(多肢選択式)試験問題【No.6】

2019年度(H31、R1年度)の国家公務員採用一般職試験(大卒程度)の専門試験【林学】の多肢選択式試験問題の過去問解説です。

問題は全部で40題で、解答時間は3時間です。

これは、40題のうちの6問目の問題です。

タップできる目次
  1. 問題
  2. 解説

問題

世界と我が国の木材貿易に関する記述として最も妥当なのはどれか。なお,データは,「FAOSTAT(2017年12月1日現在有効なもの)」及び「貿易統計」による。

  1. 2016年の世界の木材輸出量を国別にみると,「産業用丸太」と「製材」ではロシアが1位となっている。ロシアの輸出量の推移をみると,世界の旺盛な木材需要を受けて,「産業用丸太」と「製材」のいずれも,2016年の輸出量が2006年の輸出量を上回っている。
  2. 2016年の世界の木材輸入量を国別にみると,「産業用丸太」では中国が1位となっており,世界の輸入量の約4割を占めている。「製材」と「合板等*1」では,米国が1位,我が国がこれに続いて2位となっている。
  3. 2016年の我が国の木材輸入量(丸太換算値)を品目別にみると,「パルプ・チップ」が最も多く, 「製材」,「合板等 *2」,「丸太」の順でこれに続いている。また,輸入量を輸入先国別にみると,「丸太」は米国から,「製材」はカナダから,「合板等」はマレーシアからの輸入が最も多くなっている。
  4. 我が国の木材輸出額*3は,2013年から2017年まで5年連続で増加し,2017年には約30億円となっている。2017年の輸出額を品目別にみると,「製材」が最も多く,「合板等」,「丸太」 の順でこれに続いている。また,輸出額を輸出先国・地域別にみると,中国が最も多く,インド, 台湾の順でこれに続いている。
  5. 我が国は,2018年3月にTPP11協定に署名し,同年7月には日EU・EPA(経済連携協定)に署名した。交渉の結果,我が国への輸入については,これらいずれの協定においても,SPF *4 丸太,SPF製材,合板などの全ての林産物の関税は一律に,7年の段階的削減の後,8年目に撤廃されることとなっている。

* 1 「合板等」には,単板,合板,パーティクルボード及び繊維板を含む。

* 2 「合板等」には,薄板,単板及びブロックボードに加工された木材を含む。

* 3 「貿易統計」の HS コード第44類(木材及びその製品並びに木炭)の合計。

* 4 SSPFは,トウヒ(Spruce),マツ(Pine),モミ(Fir)類を指す。

解説

①の文章ですが、

2016年の世界の木材輸出量を国別にみると,「産業用丸太」ではロシアが1位となっていますが「製材」ではカナダが1位です。

また、ロシアの輸出量の推移をみると、「製材」では2016年の輸出量が2006年の輸出量を上回っていますが、「産業用丸太」では2016年の輸出量が2006年の輸出量を下回っています

なので、「「製材」ではロシアが1位」と「「産業用丸太」〜,2016年の輸出量が2006年の輸出量を上回っている。」の部分が間違いです。

平成29年度森林・林業白書より

②の文章ですが、

2016年の世界の木材輸入量を国別にみると,「産業用丸太」では中国が1位となっており,世界の輸入量の約4割を占めています。

「製材」では中国が1位で米国が2位、「合板等」では,米国が1位,ドイツが2位です。

なので、「「製材」と「合板等*1」では,米国が1位,我が国がこれに続いて2位となっている。」の部分が間違いです。

平成29年度森林・林業白書より

③は妥当な文章です。

平成29年度森林・林業白書より

④の文章ですが、

我が国の木材輸出額*3は,2013年から2017年まで5年連続で増加し,2017年には326億円となっています。

2017年の輸出額を品目別にみると,「丸太」が最も多く,「製材」,「合板等」 の順でこれに続いています。
また,輸出額を輸出先国・地域別にみると,中国が最も多く,フィリピン, 韓国の順でこれに続いています

なので、「我が国の木材輸出額*3は,2017年には約30億円となっている。2017年の輸出額を品目別にみると,「製材」が最も多く,「合板等」,「丸太」 の順でこれに続いている。また,輸出額を輸出先国・地域別にみると,〜,インド, 台湾の順でこれに続いている。」の部分が間違いです。

平成29年度森林・林業白書より

⑤の文章ですが、

「環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定」(TPP11協定)は平成30(2018)年3月8日にチリで署名されました。

TPP11協定の内容はTPP協定の範囲内のものであり、林産物の輸入に関しては、輸入額が多い国や、輸入額の伸びが著しい国からの合板・製材・OSB(*28)(配向性削片板)に対して、16年目までの長期の関税撤廃期間と、輸入量が一定量に達した場合に関税を自動的にTPPの発効前の水準に引き上げるセーフガードが措置されています。

日EU・EPA(経済連携協定)については、平成25(2013)年4月から交渉を開始し、平成29(2017)年7月6日に大枠合意に至り、同12月8日には両首脳間で交渉妥結を確認しました。

合意内容のうち、林産物の輸入に関しては、関税撤廃するものの、構造用集成材、SPF製材等の林産物10品目について、7年の段階的削減を経て8年目に関税を撤廃することとし、一定の関税撤廃期間を確保しています。

ちなみに、林産物の輸出に関しては、EU域内への輸入品に対して製材で無税から2.5%、合板等で6%から10%、木製品で無税から4%の関税がかけられていますが、交渉の結果、これらの関税は全て即時撤廃することとなっています。

なので、「同年7月には日EU・EPA(経済連携協定)に署名した」と「これらいずれの協定においても,SPF *4 丸太,SPF製材,合板などの全ての林産物の関税は一律に,7年の段階的削減の後,8年目に撤廃されることとなっている。」の部分が間違いです。

詳しくは、平成29年度森林・林業白書「第1部 第 IV 章 第1節 木材需給の動向」を確認してください。

正答番号

3

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