2019年度(H31、R1年度)の国家公務員採用総合職試験(大卒程度)の専門試験【森林・自然環境】の多肢選択式試験問題の過去問解説です。
問題は121題あります。
問題は必須問題13題(No.1~No.13)と選択問題12科目108 題(No.14~No.121)に分かれています。選択問題については任意の3科目(27題)を選択し,必須問題と合計して40題を解答します。
なお,選択問題については,3科目を超えて解答しても超えた分に ついては採点されません。
これは、必須問題13題のうちの6問目の問題です。
問題
【No. 6】 我が国の野生動物の保護管理に関する記述A~Dのうち,妥当なもののみを挙げているのはどれか。
A.四国においては,近年,ツキノワグマの生息が確認されておらず,絶滅が危惧されている。しかし,本州各地では同種であるツキノワグマの分布域の拡大が認められていることから,環境省のレッドリストには,四国のツキノワグマは掲載されていない。
B.近年,一部の野生鳥獣については,急速に生息数が増加するとともに生息域が拡大し,自然生態系や農林水産業などへの被害が拡大・深刻化している。このことを踏まえ,国において「抜本的な鳥獣捕獲強化対策」が取りまとめられ,ニホンジカ,イノシシの個体数を2023年度までに半減させるとの目標が定められた。
C.狩猟免許所持者数は過去40年間で大きく減少した。しかし,近年は狩猟免許の取得年齢の引下げなどの様々な取組により狩猟免許所持者数は増加に転じ,現在では40歳未満の狩猟者が全体の2分の1を超えるなど若返りが進んでいる。
D.各都道府県は,「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」に基づき鳥獣保護管理事業計画や第一種特定鳥獣保護計画・第二種特定鳥獣管理計画を作成し,野生鳥獣の保護及 び管理のための施策を実施している。一方,野生鳥獣は都道府県間をまたいで行動するため,複数の都道府県による広域協議会などを開催し,関係者間の情報の共有を,必要に応じて行っ ている。
- A,B
- A,C
- B,C
- B,D
- C,D
解説
Aの文章ですが、
環境省レッドリスト(2018)では、四国山地のツキノワグマは「絶滅のおそれのある地域個. 体群(LP)」として掲載されています。
また、四国のツキノワグマは近年も生息が確認されています。
生息が確認されておらず,絶滅したと考えられているのは九州のツキノワグマです。
Bは妥当な文章です。
Cの文章ですが、
狩猟免許所持者の2分の1以上が60歳以上で、40歳未満の狩猟者の占める割合はH27年度で10.8%です。
Dは妥当な文章です。
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