国家公務員試験(一般職・大卒)

【過去問解説】2019年国家公務員採用一般職試験(大卒)林学(多肢選択式)試験問題【No.5】

2019年度(H31、R1年度)の国家公務員採用一般職試験(大卒程度)の専門試験【林学】の多肢選択式試験問題の過去問解説です。

問題は全部で40題で、解答時間は3時間です。

これは、40題のうちの5問目の問題です。

タップできる目次
  1. 問題
  2. 解説

問題

我が国の木材需給の動向に関する記述として最も妥当なのはどれか。なお,データは,「平成30年版 森林・林業白書」による。

  1. 2016年の我が国の木材需要量は約3,500万m3である。これは,1955年以降,過去最高の木材需要量であったときの約3割である。
  2. 2016年の我が国の木材需要量の内訳をみると,製材用材が約3割,合板用材が約4割,パルプ・チップ用材が約2割,燃料材とその他用材が約1割を占めている。
  3. 2016年の我が国の木材自給率は30%を超えている。現行の「森林・林業基本計画」では,2025年の木材の総需要量に対する国産材の供給量の割合が約5割となることを目指している。
  4. 2016年の我が国の用途別の木材自給率をみると,製材用材の自給率は約2割である。製材用材の自給率は,合板用材やパルプ・チップ用材の自給率より低い。
  5. 2017年の国産のスギ,ヒノキ,カラマツの丸太価格* をみると,カラマツが最も高く約40,000円/m3である。国産のカラマツ丸太の価格は,米マツ丸太や米ツガ丸太の価格より高い。

* スギ中丸太(径 14~22cm,長さ 3.65~4.0m),ヒノキ中丸太(径 14~22cm,長さ 3.65~4.0m),カラマツ中丸太(径 14~28cm,長さ 3.65~4.0m)の製材工場着の価格。

解説

①の文章ですが、

2016年の我が国の木材需要量は7,808万m3です。これは,1955年以降,過去最高の木材需要量であったとき、(昭和48(1973)年の1億2,102万m3)の約6割です。

なので、全文が間違いです。

平成29年度森林・林業白書より

②の文章ですが、

2016年の我が国の木材需要量の内訳は、上図のとおり製材用材が33.5%、合板用材が13.1%、パルプ・チップ用材が40.5%、その他用材が5%、燃料材が7.4%を占めています。

なので、「合板用材が約4割,パルプ・チップ用材が約2割,」の部分が間違いです。

③の文章は妥当な文章です。

平成29年度森林・林業白書より

④の文章ですが、

2016年の我が国の用途別の木材自給率をみると,製材用材の自給率は46.6%です。合板用材は37.8%、パルプ・チップ用材は16.7%、燃料材は76.8%なので、製材用材の自給率は,合板用材やパルプ・チップ用材の自給率より高いです。

なので、全文が間違いです。

平成29年度森林・林業白書より

⑤の文章ですが、

2017年の国産のスギ,ヒノキ,カラマツの丸太価格* をみると,カラマツは最も安く11,900円です。

米マツ丸太は32,600円/m3、米ツガ丸太は23,000円/m3なので、カラマツ丸太の価格は,米マツ丸太や米ツガ丸太の価格より安いです。

なので、全文が間違いです。

平成29年度森林・林業白書より

詳しくは、平成29年度森林・林業白書「第1部 第 IV 章 第1節 木材需給の動向」を確認してください。

正答番号

3

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