2019年度(H31、R1年度)の国家公務員採用一般職試験(大卒程度)の専門試験【林学】の多肢選択式試験問題の過去問解説です。
問題は全部で40題で、解答時間は3時間です。
これは、40題のうちの28問目の問題です。
問題
【No. 28】 林道の幾何構造に関する記述として最も妥当なのはどれか。
- 国道,都道府県道等と連絡する幹線林道を自動車道1級,小利用区域にかかる支線及び分線を自動車道2級,全幅員1.8m以上3.0m未満のもので軽自動車の通行できるものを自動車道3級という。
- 林道の全幅員は,車両の交通に供される有効幅員の部分と側溝の部分から成り,道路を保護し,歩行者の待避所ともなる路肩は含まない。このため,必要とされる路肩の幅は林道規程上では特に定められていない。
- 林道の最小曲線半径は,一般に,搬出材の長さや幅員から算出される搬出材が幅員からはみ出ない条件や,自動車の設計速度や路面の横断勾配などから算出される自動車が横滑りしない条件により求められる。
- 視距とは,自動車の運転手から車道の中心線上にある高さ1.2mの物の頂点を見通すことができる距離であり,自動車とその対象物を直線で結んだ距離により表される。
- 交通安全上から必要とされている視距を安全視距といい,林道規程では一律の視距が設定されている。また,自動車が路上の障害物を認め,ブレーキによって停止できる距離を避走視距という。
解説
①の文章ですが、
4 自動車道の級別の区分は、次のとおりとする。
林道規程及び林道規程の運用細則より
(1)自動車道1級は、車道幅員を4.0メートル以上とするもの
(2)自動車道2級は、車道幅員を3.0メートルとするもの
(3)自動車道3級は、車道幅員を2.0メートルとするもの
よって、間違った文章です。
②の文章ですが、
林道の全幅員は路肩も含みます。また、林道規程上では路肩の幅員についても記載されています。
よって、間違った文章です。
③は妥当な文章です。
④の文章ですが、
「視距」とは、車道(車線の数を2とするものにあっては車線。以下、この号において同じ。)の中心線上1.2メートルの高さから当該車道の中心線上にある10センチメートルのものの頂点を見とおすことができる距離を当該車道の中心線に沿って測った長さをいう。
林道規程及び林道規程の運用細則より
よって、間違った文章です。
⑤の文章ですが、
交通安全上から必要とされている視距を安全視距と称し、これには4種類あって、主に制動視距と避走視距がある。
自動車が路上の障害物を認め、ブレーキによって停止できる距離を制動停止視距という。
避走視距は自動車がすれ違いできる幅員の場合、前方に対向車を認めてハンドル操作により車体を回避させ、衝突をさける方法である。
森林・林業実務必携より
よって、間違った文章です。
正答番号
3