国家公務員試験(一般職・大卒)

【過去問解説】2019年国家公務員採用一般職試験(大卒)林学(多肢選択式)試験問題【No.7】

2019年度(H31、R1年度)の国家公務員採用一般職試験(大卒程度)の専門試験【林学】の多肢選択式試験問題の過去問解説です。

問題は全部で40題で、解答時間は3時間です。

これは、40題のうちの7問目の問題です。

タップできる目次
  1. 問題
  2. 解説

問題

次は,我が国における野生鳥獣による森林被害と野生鳥獣被害対策に関する記述であるが,A~Eに当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

近年,野生鳥獣による森林被害面積は【A】傾向にある。2016年度の野生鳥獣による森林被害面積は,全国で約7千haとなっており,このうち,シカによる被害が約【B】割を占めている。また,その他の野生鳥獣による被害としては,【C】及び【D】(順不同)による被害面積が大きく,シカとともに上位3 位以内に入っている。
環境省の推定によると,2015年度末の北海道を除くシカの個体数の推定値(中央値)は2013年度末との比較で初めて減少に転じている可能性が明らかになったが,2015年度の捕獲率を維持した場合,2023年度の個体数の推定値(中央値)は約1.2倍まで増加すると予測されている。環境省と農林水産省では2013年12月に「抜本的な鳥獣捕獲強化対策」を取りまとめ,2023年度までに,ニホンジカやイノシシの個体数を【E】という捕獲目標を設定するとともに,捕獲事業の強化,捕獲事業従事者の育成・確保などの対策を推進することとしている。

ABCDE
減少イノシシノネズミ3割減らす
減少クマノネズミ半減する
減少カモシカノウサギ3割減らす
増加イノシシノウサギ半減する
増加カモシカクマ3割減らす

解説

平成29度森林・林業白書の「第1部 第 II 章 第3節 森林保全の動向(4)森林被害対策の推進(野生鳥獣による被害の状況)」をみると、以下のとおりとなっています。

平成29年度森林・林業白書より

よって、Aに当てはまるのは「減少」、Bに当てはまるのは「8」、Cに当てはまるのは「クマ」、Dに当てはまるのは「ノネズミ」です。

また、同じく平成29度森林・林業白書の「第1部 第 II 章 第3節 森林保全の動向(4)森林被害対策の推進(野生鳥獣被害対策を実施)」に、『平成25(2013)年12月には、環境省と農林水産省が「抜本的な鳥獣捕獲強化対策」を取りまとめ、捕獲目標を設定(ニホンジカ、イノシシについて、2023年度までに個体数を半減(*92))するとともに、その達成に向けた捕獲事業の強化、捕獲事業従事者の育成・確保等を推進することとした。』とあります。

(*92)環境省プレスリリース「全国のニホンジカ及びイノシシの個体数推定等の結果について(平成29年度)」(平成29(2017)年8月31日付け)によると、ニホンジカについて、2023年度に平成23(2011)年度の個体数の中央値で半数以下にするためには、平成28(2016)年度以降に平成27(2015)年度の捕獲率(推定個体数に対する捕獲数の割合)の約1.9倍の捕獲を続ける必要があると予測されている。

よって、Eに当てはまるのは「半減する」です。

正答番号

2

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