2019年度(H31、R1年度)の国家公務員採用一般職試験(大卒程度)の専門試験【林学】の多肢選択式試験問題の過去問解説です。
問題は全部で40題で、解答時間は3時間です。
これは、40題のうちの29問目の問題です。
問題
【No. 29】 我が国における林道の計画,設計に関する記述として最も妥当なのはどれか。
- 林野庁では,路網を構成する道を,一般車両の走行を想定した幹線となる「林道」,大型の林業用車両の走行を想定した「林業専用道」,林業機械の走行を想定した「森林作業道」の3区分に整理しており,これらを適切に組み合わせた路網の整備を進めることとしている。
- 林道密度は一般にシュベルグ式を用いて求められ,伐倒経費及び集材経費の合計が最小となる林道密度が最も合理的であるとされる。
- 林道の設計の基礎となる測量では,まず縦断測量を行い,その結果に基づき平面測量を行う。最後に道路の中心線に沿った地形の凹凸を横断測量によって調べる。
- 排水施設の代表的なものに側溝がある。側溝は洗掘のおそれがあるため,素掘りとしてはいけない。また,側溝の一つにL型側溝があるが,これは横断溝として用いられ,路肩には用いられない。
- 林道の設計に当たって,横断勾配はその上限値である最急勾配を下回らなければならない。林道規程では最急勾配が2~3%程度に定められており,設計速度によらず一定である。
解説
①は妥当な文章です。
②の文章ですが、
最適林内路網密度理論として行政ではMatthewの発展式を採用している。これは将来あるべきマクロな計画策定を林業基本法の長期資源計画で採用して以来使用されてきた。すなわち木材搬出に必要な距離により森林整備に必要な経費の内、路網密度に大きく影響する集材経費、歩行経費、および林道開発経費を算出し、その合計経費が最小となる最適な密度を求める。
森林・林業実務必携より
よって、間違った文章です。
③の文章ですが、
平面測量は路線の中心を決定するため、交点に曲線半径を測設し、起点より20mごとに番号杭および地点変換点、構造物設置店にプラス杭を打設する。これらの結果は1/1,000〜1/2,000の縮尺で平面図として製図する。
縦断測量は平面測量の杭に基づき、路線中心の高低状況を測量する。高さの基準である水準拠標は500〜1,000ごとに設置しておくと工事を実施する際に都合がよい。
横断測量は各中心杭の左右数mの高低を明らかにするもので、普通はポールまたはハンドレベルなどの簡単な器具によってなされるが、これは土量計算の基礎になるものであるから、他の測量と同様十分注意して測るべきである。
森林・林業実務必携より
よって、間違った文章です。
④の文章ですが、
排水施設は水理的特性で暗渠、名渠、材料特性でコンクリート製品、鋼製品、および土製品に区分される。水の集中箇所には一般に暗渠を設置し、ヒューム菅、コルゲート菅、ボックスカルバートを設置する。水の分散箇所には、山側のり面から流出してくる湧き水を、のり尻に側溝を設置し、名渠と呼ばれるU字菅、L字側溝、素掘側溝などで処理する。路面排水溝は横断排水溝とも呼ばれ、路面流水溝とも呼ばれ、路面流下水による路面浸食を防止するために路面を横断して設置され、谷川、あるいは山側の側溝に排水する施設である。
森林・林業実務必携より
よって、間違った文章です。
⑤の文章ですが、
よって、間違った文章です。
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