国家公務員試験(一般職・大卒)

【過去問解説】2019年国家公務員採用一般職試験(大卒)林学(多肢選択式)試験問題【No.11】

2019年度(H31、R1年度)の国家公務員採用一般職試験(大卒程度)の専門試験【林学】の多肢選択式試験問題の過去問解説です。

問題は全部で40題で、解答時間は3時間です。

これは、40題のうちの11問目の問題です。

タップできる目次
  1. 問題
  2. 解説

問題

【No. 11】 林分の材積測定に関する記述として最も妥当なのはどれか。

  1. 全林毎木調査法とは,林分にある全ての立木の樹高と一部の立木の胸高直径を測定し,林分全体の材積を求める方法である。一般に,大面積で,かつ価値の高い林分の売買に伴う調査などで利用される。
  2. 標本地調査法とは,調査林分内に無作為にプロットを設け,そこでの測定値に基づいて林分全体の材積を推定する方法である。この方法では,抽出誤差や信頼区間を客観的に求めることができる。
  3. 標準地法とは,林分全域の中に,一定面積の区域を標準地として選定し,そこでの測定値に基づいて林分全体の材積を推定する方法である。標準地は,材積が最も大きい区域と最も小さい区域それぞれから選定することが望ましく,これにより高精度での材積推定が可能となる。
  4. 標準木法とは,調査林分を代表する立木を標準木として選定し,その測定値から林分全体の材積を求める方法である。標準木を選定するための方法としては,一般に胸高直径と樹高を利用した方法がよく用いられ,代表的なものにライシッヒ法がある。
  5. ビッターリッヒ法は,林分内のある点(標本点)から立木の数を計数することで,林分の断面積合計を求める方法である。立木の数え方は,一定の測定幅で標本点から周囲の立木を見て,幹が幅より太い場合を 2 ,幅とちょうど同じ場合を 1 ,幅より細い場合を 1/2 と計数する。

解説

①の文章ですが、

全林毎木調査法:一般的に林分内の全立木の胸高直径は測定するが、樹高hの測定は胸高直径dよりもかなり時間がかかるので、一部の樹高を測定し、残りは樹高曲線によって推定する。林分材積は、実測したdとh、ならびに実測したdと樹高曲線からの推定樹高により立木材積表を用いてそれぞれ算出し、最後に合計することによって求める。樹高曲線作成のもとになる標本木は少なくとも各直径階ごとに数十本になるようにランダムまたは一定間隔に抽出し、それらの樹高を精密に測定する。

この方法は統計学的にはしゅう皆調査にあたり、標本抽出誤差がなく一般に精度が高い。しかし相当な時間と労力を費やすのが欠点である。

森林・林業実務必携より

ですので、間違った文章です。

②は妥当な文章です。

③の文章ですが、

標準地調査法(標準地法):調査すべき森林が広大な場合、平均的な林相と思われる一部の林地(標準地)を調査して対象地域の森林の在籍を査定する古くからの方法である。

この方法は標準値が有意抽出によって選ばれるため誤差の評価が不可能であり、それほど高い制度を必要としない調査法として用いられる。

森林・林業実務必携より

ですので、間違った文章です。

④の文章ですが、

標準木法:標準木とは林分の中で、直径や断面積または材積などについて代表的な値を示す林木を指す。この方法は、標準木の断面積や材積を用いて林分材積を推定する方法である。

主な手法として単級法、Draudt法、Urich法があげられる。

森林・林業実務必携より

ですので、間違った文章です。

⑤の文章ですが、

ビッターリッヒ法:十分に広い面積Tの林地上にM本の立木があり、各立木について胸高直径d1のP/2倍を半径とする拡大円を考える。林面上任意に標本点を落としたとき、ある標本点がi番目の立木の拡大円の中に入れば1、そうでなければ0となる確率変数λiを考えるとする。そうすればλiの期待値E(λi)はP2gi/Tとなる。

実行にあたっては、林内のある標本点からあらかじめ定められたk(普通は4)のスリット幅よりも大きな幅を持つ胸高直径の立木をシュピーゲルレラスコープによりカウントし、その合計にkをかければ、その地点におけるha当たりのGを推定することができる。そして各標本点のGを平均すれば、精度よく推定できる。この方法は、1947年オーストリアのW.Bitterlichによって開発されたもので、従来の方法と比べて実行の容易さと速さに長所がある。

森林・林業実務必携より

レラスコープによる立木のカウント方法は図のとおりです。 

ですので、間違った文章です。

正答番号

2

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