国家公務員試験(総合職・大卒)

【過去問解説】2019年国家公務員採用総合職試験(大卒)森林・自然環境(多肢選択式)試験問題【No.13】

2019年度(H31、R1年度)の国家公務員採用総合職試験(大卒程度)の専門試験【森林・自然環境】の多肢選択式試験問題の過去問解説です。

問題は121題あります。
問題は必須問題13題(No.1~No.13)と選択問題12科目108 題(No.14~No.121)に分かれています。選択問題については任意の3科目(27題)を選択し,必須問題と合計して40題を解答します。

なお,選択問題については,3科目を超えて解答しても超えた分については採点されません。

これは、必須問題13題のうちの13問目の問題です。

タップできる目次
  1. 問題
  2. 解説

問題

【No. 13】 我が国の里地里山を構成する植物の特徴やその利用方法に関する記述として最も妥当なのはどれか。

  1. モウソウチクは,東日本の里山地域を中心に分布している我が国の在来植物であり,食用や資材など様々な用途に使われてきた。一方で,近年は手入れが行き届かないことにより,周囲からの他の樹種の侵入による減少が著しい。
  2. コナラは,東北地方以北の二次林を構成する主な樹種の一つである。落葉樹であり,秋に落ちたドングリは休眠して冬を過ごし春に根や芽を伸ばす。材が木炭の原木,落葉が堆肥として使われてきたほか,灰白色のなめらかな樹皮が美しく,盆栽としても親しまれてきた。
  3. アカマツは,二次林の主な構成樹種の一つとして我が国に広く分布しており,材は建築用として用いられるほか,火力が強いので薪としても使われてきた。オオタカが営巣に利用することでも知られる。
  4. ヤマツツジは,秋に花を咲かせる代表的なツツジであり,季節の風物詩の一つとして楽しまれてきたほか,園芸品種が庭園などに利用されている。刈取りや火入れ,踏圧,光不足の環境に比較的強いことから,関東や東北地方を中心に,二次林の林床に群落を形成してきた。
  5. アカシデは,照葉樹林を構成する主な樹種の一つとして関東地方から西の温暖な地域に分布する常緑樹であり,萌芽力が強く成長が速いことから,薪炭用の樹木として管理されてきた。また,近年はシイタケ栽培のほだ木として,最も利用されている樹種である。

解説

①の文章ですが、

モウソウチクは在来植物ではありません。
また、成長が早いため、他の樹種を駆逐して生息域を拡大し、里山地域の生態系を脅かす傾向にあります。

よって、間違った文章です。

②の文章ですが、

コナラは北海道、本州、四国、九州に分布します。また、樹皮は灰色で、盆栽としてはあまり一般的ではありません。

よって、間違った文章です。

③は妥当な文章です。

④の文章ですが、

ヤマツツジの花期は春です。北海道南部、本州、四国、九州に分布し、光を好むため、低山地の疎林内、林縁、日当たりのよい尾根筋、草原などに生育します。

よって、間違った文章です。

⑤の文章ですが、

アカシデは落葉樹です。萌芽力は強くなく、成長もそれほど早くありません。また、シイタケ栽培のほだ木としてはクヌギ、コナラ、ミズナラなどが多く使われています。

よって、間違った文章です。

正答番号

3

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