2019年度(H31、R1年度)の国家公務員採用一般職試験(大卒程度)の専門試験【林学】の多肢選択式試験問題の過去問解説です。
問題は全部で40題で、解答時間は3時間です。
これは、40題のうちの26問目の問題です。
問題
【No. 26】 チェーンソー及びそれを用いた伐木作業に関する記述として最も妥当なのはどれか。ただし,チェーンソーの保有台数については,国有林野事業で所有するものを除く。
- 平成12年以降をみると,我が国では,女性林業従事者数の増加などを背景に,チェーンソーの小型軽量化も進み,チェーンソーの保有台数は増加傾向にある。
- 斜面では立木は一般に斜面下方向に偏った状態で立っているため,伐倒方向は斜面真下とするのがよいが,材を損傷するおそれがあるため,これを避けたいときは斜面上側とするのがよい。
- 受け口は,伐倒方向を確実にするとともに材の裂けを防ぐために,倒そうとする方向の地際近くに設ける開口部で,一般に,その深さは伐根直径の4分の1以上とする。
- 追い口切りは,伐倒方向の反対側から切り進める。通常,受け口の高さの最も高い位置から切り始め,受け口の高さの最も低い位置に向かって,立木が倒れ始めるまで斜めに切り進める。
- 伐倒時にかかり木が発生した場合,放置すると危険なため,隣接する立木を伐倒してかかり木に当てるか,かかり木を肩に担ぎ移動するなどにより,かかり木を外すとよい。
解説
①の文章ですが、
平成12年以降、チェーンソーの保有台数は減少傾向にあります。
よって、間違った文章です。
②の文章ですが、
伐倒方向は、斜面の下方向に対し、45 度から105 度までの方向を原則とし、このうち45 度から75 度までの間の斜め方向が望ましいです。
よって、間違った文章です。
③は妥当な文章です。
④の文章ですが、
- 追い口切りは、受け口の高さの下から2/3程度の位置とし、水平に切り込む。
- 追い口切りの切込みの深さは、つる幅が伐根直径の1/10程度となるようにし、切り込みすぎない。
こととされています。
よって、間違った文章です。
⑤の文章ですが、
かかり木を処理する際、かかられている木の伐倒やかかり木に激突させるためにかかり木以外の立木の伐倒 (浴びせ倒し)、かかっている木の元玉切り、かかっている木の肩担ぎ、かかっている木の枝切りは危険なため禁止されています。
よって、間違った文章です。
正答番号
3