2019年度(H31、R1年度)の国家公務員採用一般職試験(大卒程度)の専門試験【林学】の多肢選択式試験問題の過去問解説です。
問題は全部で40題で、解答時間は3時間です。
これは、40題のうちの18問目の問題です。
問題
【No. 18】 土壌の水分保持と透水性に関する記述として最も妥当なのはどれか。
- 土壌の三相分布では,土壌の全体積当たりの液相と気相の体積の合計を孔隙率と呼ぶ。土壌の全体積当たりの固相重量を真比重,全体積当たりの液相重量を含水比と呼ぶ。固相重量に対する液相重量の比を含水率と呼ぶ。
- 土壌構造には,径2~5mmのほぼ球状若しくは多面体の粒状構造,垂直方向に発達する柱状構造及び塊状構造,水平方向に発達する板状構造,土層全体が緻密に凝集する壁状構造がある。一般に,粒団サイズが大きい柱状・板状・塊状構造は土壌表層に,小さい粒状構造は下層土に見られる。
- 土壌中の水が持つエネルギーは,運動エネルギーは無視できるので,ポテンシャル(位置)エネルギーのみで与えられる。土壌の水ポテンシャルは,マトリックポテンシャルと浸透ポテンシャルの和として表される。浸透ポテンシャルと体積含水率との関係を水分保持曲線と呼ぶ。
- 土壌水分恒数のうち,圃場容水量は飽和から1時間後の水分保持量,毛管連絡切断点は毛管水のつながりが切れて毛管孔隙による水の移動が困難になったときの水分保持量,永久しおれ点は植物がしおれて枯死するときの水分保持量を指す。土壌水は,最大容水量から圃場容水量までが重力水,圃場容水量から毛管連絡切断点までが毛管水と呼ばれる。
- 土壌の透水性は,土壌孔隙と密接に関係し,粗孔隙のような大孔隙の量に左右される。一般に,水はけの良い砂質土では飽和透水係数は10-3cm/sec以上になるのに対し,構造の発達の悪い粘土では10-7cm/secよりも小さく不透水層となる。
解説
①の文章ですが、
細土容積重=(WS-(WR-WG))/V
孔げき率(%)=(VA+VW)/V
含水率(%)=WW/W
含水比(%)=WW/WSWS:固相重量、WR:根重量、WG:れき重量、WW:液相重量、W:全重量(WS+WW)、VA:気相容積、VW:液相容積、V:全容積(採土円筒の容積)
森林・林業実務必携より
よって、間違った文章です。
②の文章ですが、
土壌構造(主なもの)
森林・林業実務必携より
細粒状:粉状ないし微細な土粒(1mm程度)
粒状:小粒(2~5mm)で緻密
堅果状:角のある土塊(2cm程度)で緻密
塊状:丸みのある土塊(2~5cm)で柔らか
団粒状:小型(2mm前後)でパン粉状
かべ状:凝集し団粒の形成がない
よって、間違った文章です。
③の文章ですが、
よって、間違った文章です。
④の文章ですが、
よって、間違った文章です。
⑤は妥当な文章です。
正答番号
5