国家公務員試験(総合職・大卒)

【過去問解説】2019年国家公務員採用総合職試験(大卒)森林・自然環境(多肢選択式)試験問題【No.33】

2019年度(H31、R1年度)の国家公務員採用総合職試験(大卒程度)の専門試験【森林・自然環境】の多肢選択式試験問題の過去問解説です。

問題は121題あります。
問題は必須問題13題(No.1~No.13)と選択問題12科目108 題(No.14~No.121)に分かれています。選択問題については任意の3科目(27題)を選択し,必須問題と合計して40題を解答します。

なお,選択問題については,3科目を超えて解答しても超えた分については採点されません。

これは、選択問題「森林生物生産科学」の問題です。

タップできる目次
  1. 問題
  2. 解説

問題

【No. 33】 間伐に関する記述として最も妥当なのはどれか。

  1. 間伐を行い,混み過ぎた林分を適度な密度にすることで,各個体の成長促進や,林内の風通しや日当たりを良くして病虫害の発生を防ぐこと,光環境を改善して下層植生の繁茂を促し雨滴衝撃による土壌侵食を防ぐことなどの効果が得られる。
  2. 保育間伐は目的樹種の成長を調節する目的で行われ,実行に当たっては伐採した樹幹を林床から取り除いて廃棄する,いわゆる伐り捨て間伐として行われる。伐採する対象木は目的樹種の生育を阻害する目的樹種以外の他樹種である。
  3. 上層間伐は利用径級に達した優勢木から伐採していくもので,利用可能なサイズの立木を多く伐採するため,販売による収入が早期から得やすい利点がある。しかし,上層間伐後の林分には劣勢木のみが残されるため,上層間伐後の林分では林分成長量は低下する。
  4. 下層間伐は主に劣勢木を伐採対象とするが,上層間伐と比較すると,適正な伐採木を選木するのは難しい。また,これらの劣勢木は放置しても自然間引きによって枯死するものであるため,残存木の成長促進効果は低い。さらに,間伐後に樹高の高い立木が残されるため,形状比が高くなり,上層間伐に比べて間伐直後に気象害の影響を受けやすくなる。
  5. 機械的間伐では,立木の形質による選木を行わずに列や一定の間隔で間伐を行う。作業効率が高く,コストが低く抑えられる上に,材質の改善効果も高いという利点がある間伐方法で,定性間伐に区分される。その代表的な方法は列状間伐である。

解説

①は妥当な文章です。

②の文章ですが、

保育間伐は目的樹種の成長を促す目的で行われ,実行に当たっては伐採した樹幹を林床に廃棄する,いわゆる伐り捨て間伐として行われます。
また、伐採する対象木は目的樹種の劣勢木です。

よって間違った文章です。

③の文章ですが、

上層間伐:利用径級になった優勢木と形質のわるい劣勢木を間伐し、早期に収入を得るとともに、形質のよい準優勢木(中立木)を育成する。

よって間違った文章です。

④の文章ですが、

下層間伐:劣勢木や欠点のある優勢木から間伐木を選ぶ、もっとも普通に行われる方法。間伐後の育成の主体は優勢木である。

よって間違った文章です。

⑤の文章ですが、

機械的間伐:立木の形質や優劣に関係なく、一定間隔や幅で列状にすべて伐る列状間伐など。伐採・搬出が容易である。優劣の差がつきにくい。挿し木造林(九州のスギなど)で行われる。

よって間違った文章です。

正答番号

1

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