2019年度(H31、R1年度)の国家公務員採用一般職試験(大卒程度)の専門試験【林学】の多肢選択式試験問題の過去問解説です。
問題は全部で40題で、解答時間は3時間です。
これは、40題のうちの30問目の問題です。
問題
【No. 30】 木材の加工に関する記述として最も妥当なのはどれか。
- 鋸により木材を切断する加工では,帯鋸と丸鋸が主に使用される。鋸びきすることにより所定の寸法,種類の製品を採ることを木取りといい,樹種,材料の条件などにより多くの加工方法がある。
- 回転させている工作物に工具を押し当てて切削する加工を平削り加工という。研磨布紙などにより工作物から粉状の切りくずを除去し,加工面を仕上げる加工を旋削加工という。
- 木材の乾燥方法には天然乾燥と人工乾燥がある。人工乾燥では,乾燥室を減圧状態に保つ減圧乾燥が最も普及しているが,天然乾燥の方が仕上げ含水率を低くすることができるため,天然乾燥のみの乾燥方法が一般に普及している。
- 木材を接着するために用いるユリア樹脂接着剤は,ユリア(尿素)とフェノールを原料とする接着剤で,ホルムアルデヒドを含まないので,シックハウス症候群対策として用いられる。
- 長さ方向にひき板や角材の端部どうしを接合することを幅はぎといい,接合面を三角形の連続した鋸刃状に加工して接合したものをスカーフジョイントという。
解説
①は妥当な文章です。
②の文章ですが、
平削り加工
刃物と工作物の運動方向が平行である切削を平削りという。旋削加工
森林・林業実務必携より
旋削加工とは回転させている工作物に工具を押し当てて、切削する加工のことで、母材の成型に用いる機械には木工旋盤やろくろが、切屑を利用する機械にはベニヤレースがある。
よって、間違った文章です。
③の文章ですが、
天然乾燥では、乾燥できる限界が15%程度と比較的高く、また関東に要する期間も長いことから、予備乾燥として用いられることが多い。
現在最も普及している製材品の人工乾燥室は、蒸気を熱源とし、内部送風機型で分室式である。
森林・林業実務必携より
よって、間違った文章です。
④の文章ですが、
ユリア樹脂接着剤:ユリア(尿素)とホルムアルデヒドを原料とし、合成接着剤のなかでもっとも安価である。ホルムアルデヒド放散が問題となるのは主にこの接着剤で、建築基準法などの改正で、建築内装材料用の接着剤としてユリア樹脂接着剤の単独使用はきわめて困難となった。
森林・林業実務必携より
よって、間違った文章です。
⑤の文章ですが、
長さ方向にひき板や角材の端部どうしを接合することは縦継ぎといいます。
また、接合面を三角形の連続した鋸刃状に加工して接合したものはフィンガージョイントといいます。
よって、間違った文章です。
正答番号
1